◆ 建立、開基に関する伝

 母、持統天皇が眼病に悩ませられし折、
 平癒を祈る子息、舎人親王の夢枕に老翁姿の白鬚明神が現れ、
 「霊山に登り霊井の水をすくいて母君の眼を洗うよう」にとの
 お告げと共に 金鍋を授けられました。

 お告げに従い母の眼を洗いしところ、持統天皇の眼は治癒。
 これへの感謝として舎人親王の勅により、この地に寺が建てられました。

 寺を建てる際、その金鍋を基礎に埋蔵した事から、山号を〝鍋蔵山〟(かぞうざん)

 眼を洗いし際、「東の方が明るく見えた」事から寺号〝東明寺〟となりました。

 創建: 持統天皇8年(693年)
 開基: 舎人親王
 本尊: 薬師瑠璃光如来

 矢田村の氏神〝矢田坐久志玉比古神社〟の神宮寺

 ◆ カミナリさま伝説
 
 昔々、

 境内のひときわ高い松の木の下にカミナリさまが降り来て昼寝をしていました。

 庭に出たお坊さんがこれを見つけ、

 いたずらでカミナリさまのでべそを力いっぱい掴みました。

 驚いたカミナリさまは太鼓をかついで入道雲の上に駆け上がりました。

 お坊さんの手の中には、でっかいカミナリさまのおへそが残っていました。

 それ以後、東明寺が在る谷間には雷が落ちなくなりましたとさ...。


出典、参考 寺社伝書簡 及び Wikipedia (←経歴・官歴 等の詳細も在り・外部リンク)